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平面では、座敷部分がかなり変わった内容をもっている。これを列記する。
1)梁間全幅を占める非常に大きな細長い部屋になる
2)床・棚・書院・長押などまったくない
3)開口部は、いどこなどに較べて多くはない
4)座敷の下手に建つ柱は土間まわりと太さ仕上げなど同じである
5)梁行に低く梁が架かり、竿縁天井は張れない家が多い
6)仏壇、神棚などはない。仏壇はいどことねま境、神棚はいどこにある
上記のように、書院座敷の様式をまったくもっていない。弘化以降には書院座敷がでてくるから、上記の座敷の使い方はどのようであったであろうか。
A 新しい一般的な座敷と同じく改まった接客に使う
B Aとは異なる接客に使う
C 接客以外の目的に使う
(使い方の検討については省略する)
構造の特色は、上屋住がいどこの周囲のみに集中して立ち、その他にところでは家内部にまったく構造柱(上屋住)が立たないことである。この架構法をとると、間取りも中央部とその両側との桁行に三列ならぶことになる。
いどこ上部の梁組が二段になり、下の段では梁行と桁行の梁がほぼ一間の格子状に組まれていること、本さすの梁間は三間以内で、それより大きい場合には二段、三段と追ざすを架けること、構造の区切りと平面の区切りが一致していることも特色である。
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